こんにちは。nekonomoridesignのyoshyです。
今日は突然ですが、こんな質問を1つ。
機会損失と言う言葉をご存知でしょうか?
機会損失とは、簡単に言うと
「買いたい・興味がある」という人が居て
「売りたい・売れるよ」という人が居るのに
実際に販売使用としたとき、売る側の都合により
商品調達などが困難となり、商売をする機会を逃した事によって
生じた売り逃しをした時の事を言います。
ネットショップをやっていると機会損失の場面に遭遇しやすい
ネットショップをしている人は、自分が生産者で直接小売をしていない限り
「卸売業者」との取引、又は「メーカーとの直接取引」
によって商品の調達をしている事と思います。
その場合に、この「機会損失」の場面に遭遇する事は多々あります。
たとえば、売っている商品の問い合わせが来て、仕入れ元に確認すると
「その商品はもうありません」
「メーカー欠品です」
「納入価格が変更されて今はその価格ではお売りできません」
「定価販売に戻してください」
といわれる場面が非常に多く発生します。
卸売業者の感覚と小売業者(ネットショップ業者)との感覚の差
販売者であるネットショップ業者側からすれば
「売れない状態や価格変更や欠品があったらちゃんと連絡してほしい」
と言うのが本音でしょう。
一方、卸売業者からすると
「何でもかんでも安く売ったりしてるし、いまだにこんな商品取り扱ってたのか」
という言い分がでてくるでしょう。
両者間に発生しているのは【感覚】の差です。
小売業者は、「消費者に売る事」に集中しているわけです。
卸売業者の取り扱いリストを見て、売れると判断した物を
卸売業者に「コレが欲しい」と伝えるのが大きな仕事です。
その際、卸売業者と小売業者の間の話し合いで、小売業者に在庫を持ってもらわなくても
販売を許可する卸売業者は最近増えています。
その場合、たいていの小売業者の脳内では、
「在庫管理」という概念が消えうせます。
たとえば、取り売り(ある程度小売店に在庫を持たせる方法)で
卸売りをしていれば、小売業者の担当も商品の在庫状態に関して
自社内で管理をしないと行けなくなるので「在庫管理」と言う事が頭に浮かびますが
「売れた分だけ発注くれたら出荷します」という場合は、「売りっぱなし」の感覚になるのが当然です。
というのも、小売店からしてみれば
「在庫管理は卸売り業者のほうできちんと行われているだろう」
という概念が生まれるからです。
たとえば、その在庫が減ってしまった場合、価格の変更があった場合、
それはきちんと連絡をしてもらえると言う信頼の元、売る事に集中するわけです。
卸売り業者は「機会損失」の重さを感じにくい
小売店と卸売業者には、決定的に違う事があります。
それは「機会損失の重さ」の感じ方です。
卸売業者の場合ですと、「契約企業」との取引になるので、
たいていの場合
「1つの商品が無くても別の商品があれば取引は継続する」
ので、「無くてもまた買ってもらえる」状態が続きます。
しかし、小売店の場合ですと
「せっかく数あるネットショップ(お店)の中からきたのに
1個の商品すら無いんだ、品揃えが悪いな、別の店に行こう」
となって
「1個無いだけで売る機会が無くなってしまう」
のです。
販売継続がほぼ契約である安心感で機会損失を与えていることに対する重さを実感していない悪循環
先ほども申し上げたように、卸売業者は企業感取引のため、よほどの大損失を与えない限りは契約関係は続きます。
その安心感があるからこそ、卸売業者の担当は「1個」の商品がたとえ用意できなくても、その瞬間は「ああ、悪い事したな、ちゃんと管理しとけばよかった」
とは思うものの、その瞬間だけ思うだけで根本的な問題は解決しようとしません。
解決しようとしない理由は、解決しなくても、その企業との取引は今後も続くからです。
小売店は1人のお客様を大事にする。
こういう書きかたをすると誤解が生じるかもしれませんが、卸売業者は、もう少し自分の取引先の事も考えて仕事をするべきだと最近強く思います。
卸売業者からの感覚で言えば「たった1商品」と思うかもしれませんが、小売店からすると「されど1商品」なのです。
その1商品の機会損失を生んだ事により、口コミなどで「あの店は品揃えが悪い」などと吹き込まれた日には風評被害によって営業停止にすら追い込まれかねないのです。
そのため、小売店は必死の思いでその商品が何故用意できないのかと苦悩します。
そして、やがて
「自社で在庫を持つ」
という結論に達していくケースが多いのです。
卸売業者は小売店の機会損失を重要視しよう
卸売業者の担当は、小売に卸売りしている商品の管理をもう少し徹底するべきです。どの卸売業者の営業担当・管理担当もその意識がずさんになっていると感じる事は多く見られます。
問い合わせや注文があって初めて取り扱っている商品の最新の状態を確認するといった行動を改めるべきだと私は思います。
こういった行動を改めさせない企業体質の卸売業者はいずれ間違いなく淘汰されていくと私は考えます。
商品の鮮度に意識を集中させているか
卸売業者ではしばしば、「昔からある商品」の在庫を切らせることに対して非常に慎重になる事があります。それゆえに、経年劣化による商品価値の低下に目を向けず、価格を下げたり新しい物に入れ替え足りしない場面が多くあります。
業界によっては、昔ながらの商品を長く使うということもあるかもしれませんが、多くの場合は「商品の鮮度」に気を配るべきです。
売る側(小売店)や買う側(消費者)にとって大事なのは、「商品を手にできるかどうか」と言う事がもっとも重要です。
にもかかわらず、売りもできないのに「昔はちゃんとコレを売っていました」というかのように売り切れの物をいつまでも取り扱いリストに残していたりしているのは、過去の栄光にすがって居るようにしか感じ取れません。
ましてや、ネットショップなど販売のサイクルが早くなってきて居るこの世の中で、【商品の鮮度】が低い物はすぐに価値がなくなって行きます。
卸売業者はそういった感覚を早く身に付け、取扱商品の【鮮度】に注意して、常に自社の(自分の)取扱商品の鮮度を保つことに集中していくべきだと思います。
そうする事で、不良在庫が明らかとなったり、正しい商品価値・価格設定ができ、機会損失も減る事につながっていくと私は思います。
機会損失は、誰も得をしません。
商品点数をたくさん取り扱っている会社でも商品の鮮度が低いものが多ければ、魅力は薄くなります。
誰もがWinWinになれるような良い取引関係をして行って欲しいと思います。
皆様のネットショップライフに明るい未来が訪れますように!